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インスタグラムやインテリア雑誌で目にする、まるで高級ホテルのラウンジのような、あの柔らかく、雰囲気のある部屋。その秘密は、高価な家具や広大なスペースにあるとは限りません。多くの場合、その空間の質を決定づけているのは「光」、特に「間接照明」の巧みな使い方です。
天井や家具の裏に光源を仕込み、その反射光で空間を照らすだけで、いつもの部屋が驚くほど広く、おしゃれで、心からリラックスできる場所へと生まれ変わります。
しかし、いざ自宅に取り入れようとすると、「そもそも間接照明って、普通の照明と何が違うの?」「どこに、どんな照明を、どうやって付ければいいの?」と、たくさんの「?」が浮かんでくるのではないでしょうか。
ご安心ください。この記事は、そんな間接照明ビギナーのあなたのための、完全ガイドです。「定義」「効果」「作り方」「おすすめ製品」という4つのシンプルなステップで、間接照明の基本から応用まで、専門用語をかみ砕きながら徹底的に解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたも光を自在に操り、自分だけの理想の空間を創り出すための知識と自信を手にしているはずです。
1. 間接照明とは? 直接照明との違いを図解で理解
まず、間接照明がどのようなものなのか、その基本的な定義から理解しましょう。照明の方法は、大きく「直接照明」と「間接照明」に分けられます。
- 直接照明 (Direct Lighting):
- 仕組み: 光源(電球やLEDチップ)が直接見えており、その光が人やモノに直接当たる照明のこと。
- 例: シーリングライト、ダウンライト、ペンダントライト、デスクライトなど。
- 特徴: 空間全体を均一に、効率よく明るくすることができる。作業や勉強など、手元に明るさが必要な場所に適している。一方で、影が強く出やすく、眩しさ(グレア)を感じやすい。
- 間接照明 (Indirect Lighting):
- 仕組み: 光源そのものは見えず、光を一度、壁や天井、床に当てて、その反射した光(バウンス光)で空間を照らす照明のこと。
- 例: コーブ照明(天井の折り上げ)、コーニス照明(壁の上部)、フロアスタンド(上向き)、テープLED(家具の裏)など。
- 特徴: 光が柔らかく拡散するため、眩しさがなく、影も穏やか。空間に奥行きと立体感を与え、リラックスした雰囲気を作り出すのに非常に優れている。
(図の想定)
- 左側に「直接照明」の図: 天井のシーリングライトから、光が部屋全体に直接降り注いでいる。人物の足元にはくっきりとした影ができている。
- 右側に「間接照明」の図: 天井の折り上げ部分に隠された光源から、光が天井に反射して、柔らかく部屋全体に広がっている。人物の影は薄く、穏やか。
このように、光の「当て方」を変えるだけで、空間の印象は劇的に変わるのです。多くの心地よい空間は、この直接照明と間接照明を巧みに組み合わせることで作られています。
2. 心理効果と空間演出:照度200lx以下でリラックスホルモン+12 %
間接照明がもたらす効果は、単に「おしゃれに見える」だけではありません。科学的にも、私たちの心と身体に良い影響を与えることがわかっています。
心理的効果:リラックスと安心感
- 夕焼けと同じ効果: 間接照明が作り出す、暖色系の穏やかな光は、日没時の太陽光に似ています。私たちの脳は、このような光を浴びると、一日の終わりを認識し、自然とリラックスモードへと切り替わります。イケア研究所の調査では、照度を200ルクス以下に抑えた空間では、リラックス効果に関わるホルモンの分泌が12%向上するという結果も報告されています。(出典: イケア研究所)
- 安心感の創出: 光源が直接目に入らないため、眩しさによるストレスがありません。また、柔らかな光と影のグラデーションは、洞窟や暖炉の火のように、人間の本能的な安心感を呼び覚ますと言われています。
空間演出的効果:部屋を広く、高く、立体的に見せる
- 奥行き感の創出: 壁や天井を照らすことで、その面に光が広がり、視覚的な奥行きが生まれます。特に、部屋の隅や角に光を置くと、空間の境界が曖昧になり、部屋が実際よりも広く感じられます。
- 天井を高く見せる効果: 天井を照らす「コーブ照明」や、床から天井を照らすアッパーライトは、視線を上へと誘導するため、天井が実際よりも高く感じられ、開放的な印象を与えます。
- 立体感と質感の強調: 壁面に間接照明を当てると、壁紙のテクスチャーや、飾られたアートの凹凸が際立ち、空間に豊かな表情が生まれます。のっぺりとした印象の部屋も、光と影のコントラストによって、一気にドラマチックな空間へと変わります。
3. 基本パーツと数値の読み方(ルーメン・色温度・CRI)
「いざ間接照明を買おうと思っても、専門用語がわからなくて選べない」という方のために、最低限知っておくべき3つの数値とその意味を解説します。
① lm(ルーメン):光の「量」=明るさ
- 意味: 光源が発する光の総量、つまり「明るさ」を示す単位です。数値が大きいほど明るくなります。
- 間接照明での目安:
- 枕元やソファサイドの補助光: 100~300ルーメン
- 壁や天井を照らす主役級: 400~800ルーメン
- ポイント: 間接照明は、明るすぎると雰囲気が台無しになります。「少し物足りないかな?」と感じるくらいが、実はちょうど良い明るさです。調光(明るさ調整)機能付きの製品を選ぶと、失敗がありません。
② K(ケルビン):光の「色」=色温度
- 意味: 光の色味を示す単位です。数値が低いほど暖色系(オレンジ色)の光に、高いほど寒色系(青白い)の光になります。
- シーン別の目安:
- 2700K~3000K(電球色): 夕焼けのような温かみのあるオレンジ色の光。リラックスしたい寝室やリビングに最適です。
- 4000K前後(温白色): 自然光に近い、穏やかな白色光。食事や団らんなど、自然な雰囲気を出したいダイニングなどにおすすめです。
- 5000K以上(昼白色・昼光色): 青みがかったシャープな光。集中力を高める効果があり、作業スペースや読書灯には向いていますが、間接照明でリラックス空間を作るのにはあまり適していません。
- ポイント: 初めての間接照明なら、リラックス効果が最も高い2700K~3000Kを選ぶのが定石です。(出典: IKEA公式)
③ Ra(CRI):光の「質」=演色評価数
- 意味: その照明で照らした時に、モノの色がどれだけ自然光の下で見た時と近いかを数値化したもの。「色の再現性」の指標です。100に近いほど、色が忠実に再現されます。
- 目安:
- Ra80以上: 家庭用照明の一般的な基準。
- Ra90以上: 美術館やアパレルショップなどで採用されるレベル。肌の色や料理、インテリアの色が非常に美しく見えます。
- ポイント: LDK the Bestなどの専門誌では、演色性を重視し、Ra95以上の製品を高評価する傾向にあります。特に、メイクをする場所や、食事をする空間、お気に入りのインテリアを照らす照明では、この数値が高いものを選ぶと満足度が格段に上がります。(出典: LDK the Best)
4. 設置アイデア7選:天井コーブ/ベッド裏/テレビ裏/棚下/床置きスタンド ほか
これらの基本を踏まえ、初心者でも簡単に取り入れられる人気の設置場所と、その効果をご紹介します。
- テレビの裏側:
- 効果: 画面と壁の輝度差を和らげ、目への負担を軽減します。また、壁に光が広がることで、画面が大きく、映像が浮き出て見えるような効果があり、映画鑑賞などの没入感を高めます。
- 方法: テレビの背面にテープLEDを貼り付けるだけ。USB給電タイプなら、テレビのUSBポートから電源が取れて配線もスッキリ。
- ベッドフレームの裏・ヘッドボードの上:
- 効果: 就寝前のリラックスタイムに最適。フットライトとして足元を優しく照らしたり、ヘッドボードの上から壁を照らしてホテルのような雰囲気を演出したりできます。
- ソファやキャビネットの下:
- 効果: 家具が床から浮いているように見え、空間に浮遊感と広がりをもたらします。掃除の際にも足元が見やすくなるという実用的なメリットも。
- 棚やカウンターの下(コーニス照明):
- 効果: 飾ってある小物や本を、ギャラリーのように美しく浮かび上がらせます。キッチンの作業台の手元を照らすのにも有効です。
- カーテンボックス・カーテンレールの裏:
- 効果: 光がカーテンのドレープ(ひだ)に当たり、美しい陰影を生み出します。窓周りが明るくなることで、部屋の開放感もアップします。
- 観葉植物の裏・下から照らす:
- 効果: 植物の葉や枝のシルエットが壁や天井に映し出され、幻想的でアートのような空間を演出できます。
- 床置きのフロアスタンド(アッパーライト):
- 効果: 床から天井に向かって光を当てることで、天井を高く見せる効果があります。工事不要で、コンセントに挿すだけで始められる最も手軽な間接照明の一つです。
5. DIY手順:テープLED+拡散カバーで作るコーブ照明
本格的な天井のコーブ照明を、DIYで手軽に実現する方法をご紹介します。
- 【準備するもの】
- テープLED: 必要な長さにカットできるタイプが便利。色温度(2700K推奨)と明るさ(ルーメン)を確認。
- LED用電源アダプター: テープLEDの仕様(電圧・電流)に合ったもの。
- LEDアルミフレーム(拡散カバー付き): これがプロっぽい仕上がりの鍵。光を均一に拡散させ、LEDの粒々感(光点)をなくします。
- 両面テープ、または固定用クリップ
- 【作成手順】
- 設置場所を決める: 天井の折り上げ部分や、カーテンボックスの上など、光源が直接見えない場所を選びます。
- 長さを測り、カットする: 設置場所の長さに合わせ、テープLEDとアルミフレームをカットします。テープLEDは、ハサミマークがあるところでカットできます。
- テープLEDをフレームに貼り付け、カバーをはめる: アルミフレームの溝にテープLEDを貼り付け、その上から乳白色の拡散カバーをパチンとはめ込みます。
- 電源を接続し、設置する: フレームに電源アダプターを接続し、設置場所に両面テープやクリップで固定します。
- 配線を隠す: 電源コードは、配線モールなどを使って壁の隅に這わせると、見た目がスッキリします。
6. 賃貸でも安心! 壁を傷つけない取り付けワザ
「賃貸だから壁に穴は開けられない…」と諦める必要はありません。
- 貼って剥がせる両面テープを活用: 最近の強力かつきれいに剥がせる両面テープを使えば、軽量なテープLEDやアルミフレームなら十分に固定可能です。
- マスキングテープを土台にする: 壁に直接両面テープを貼るのに抵抗がある場合は、まず壁にマスキングテープを貼り、その上に両面テープを貼るという「二重構造」にすると、退去時にきれいに剥がせます。
- ディアウォール、ラブリコを活用: 床と天井で柱を突っ張らせるアイテム。これを使えば、壁に一切触れることなく、柱や棚板を設置し、そこに照明を取り付けることができます。
- USB給電タイプの照明を選ぶ: テレビ裏やPC周りなら、USBポートから電源を取れる照明を選ぶと、コンセント周りがごちゃごちゃせず、配線も短く済みます。(出典: SUUMOジャーナル)
7. スマート化で広がる楽しみ:アプリ調光・シーンプリセット・音声操作
間接照明は、「スマート照明」と組み合わせることで、その楽しさと利便性が飛躍的に向上します。
- スマホアプリでの自由自在な操作:
Philips Hueなどのスマート照明なら、手元のスマホアプリで明るさ(調光)や色(調色)を1%単位で自由自在にコントロールできます。「食事の時は温白色で明るめに」「映画を見る時はオレンジ色で暗めに」といった調整が、ソファに座ったまま可能です。(出典: Philips Hue公式ブログ) - シーンプリセット機能:
「リラックス」「集中」「読書」など、あらかじめ登録されたシーンを選ぶだけで、最適な光環境が一瞬で再現されます。自分で作ったお気に入りの光の設定を保存することもできます。 - 音声操作:
Amazon AlexaやGoogleアシスタントと連携させれば、「アレクサ、リビングをシアターモードにして」といった音声だけで、部屋の雰囲気を変えることができます。 - タイマー機能:
起床時間に合わせて徐々に明るくする「光の目覚まし」として使ったり、就寝時間に合わせて自動で消灯させたりすることも可能です。
8. おすすめ間接照明アイテム10選比較表
これから間接照明を始める方におすすめの、人気と実績のあるアイテムを比較します。
カテゴリ | 商品名(ブランド) | 明るさ/色温度目安 | 価格帯(円) | 特徴 |
テープLED | Philips Hue ライトリボン | 1600 lm / フルカラー | 9,800~ | スマート照明の王道。アプリ連携で無限の表現力。 |
テープLED | Lepro テープライト | 調光調色 | 2,000~ | Amazonで人気。安価で始めやすく、リモコン付きで手軽。 |
バーライト | IKEA YPPERLIG イッペルリグ | 300 lm / 2700 K | 5,999 | シンプルで洗練されたデザイン。棚下や壁際に。 |
バーライト | Yeelight LEDスクリーンハンガーライト | 調光調色 | 7,000~ | PCモニターの上に設置。手元を照らしつつ、背面の壁も照らせる。 |
フロアスタンド | IKEA NOT ノート | (電球による) | 1,999 | 定番のアッパーライト。驚異のコストパフォーマンス。 |
フロアスタンド | VENTOTA フロアライト Hoven | (電球による) | 8,000~ | リモコンで調光調色可能な電球が付属。デザイン性も高い。 |
ポータブル | BALMUDA The Lantern | 195 lm / 調光調色 | 15,950 | キャンドルのような揺らぎを再現。持ち運び可能。 |
DIY | ダイソー インテリアライト | (製品による) | 110~550 | 驚きの低価格。複数組み合わせて自分だけの照明を作る楽しみ。 |
プラグイン | Eufy Lumi | (製品による) | 1,500~ | 人感センサー付きの常夜灯。廊下や足元に最適。 |
スポットライト | IKEA SKURUP スクルプ | (電球による) | 2,499 | 観葉植物やアートをピンポイントで照らすのに便利。 |
9. よくある質問
Q1. 間接照明って、電気代が高くなりませんか?
A1. いいえ、最近の製品はほとんどがLEDなので、電気代は非常に安いです。例えば、消費電力5WのテープLEDを1日6時間使ったとしても、1ヶ月の電気代はわずか30円程度です(電力料金単価31円/kWhで計算)。むしろ、部屋全体を煌々と照らすシーリングライトの代わりに間接照明主体で過ごす時間を増やすことで、トータルの電気代は安くなる可能性すらあります。
Q2. 寝室に最適な色温度や明るさはありますか?
A2. はい、あります。就寝前は、体をリラックスモードに導く色温度2700K以下の暖色系(オレンジ色)の光で、明るさは豆電球程度のほんのりとした明るさに抑えるのが理想的です。スマートフォンやPCが発する青白い光(ブルーライト)は、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制してしまうため、就寝1~2時間前からは、間接照明だけの空間で過ごすことを強くおすすめします。
Q3. テープLEDなどを家具の裏に付けっぱなしにして、火事の危険はありませんか?
A3. 品質の確かな製品を正しく使用している限り、火災のリスクは極めて低いと言えます。LED自体は発熱が非常に少ないのが特徴です。ただし、リスクをゼロにするために、以下の点は必ず守ってください。
- 「PSEマーク」の付いた、日本の安全基準を満たした製品を選ぶ。
- 電源アダプターのタコ足配線を避け、ホコリが溜まらないように定期的に掃除する。
- 布や紙などで覆ったり、無理に折り曲げたりしない。
10. まとめ|チェックリスト&ビフォーアフター撮影で効果を実感
間接照明まとめ
- 間接照明とは、光を壁や天井に反射させて空間を照らす、目に優しく雰囲気のある照明手法。
- リラックス効果や、部屋を広く見せるといった、心理・空間演出的メリットがある。
- 選ぶ際は**「ルーメン(明るさ)」「ケルビン(色)」「Ra(色の質)」**という3つの数値を確認する。
- テレビ裏やソファ下など、簡単な場所から始められる。DIYや賃貸向けのテクニックも豊富。
- スマート照明と組み合わせることで、活用の幅が無限に広がる。
【実践前】間接照明導入チェックリスト
- □ 【目的】 どこで、どんな雰囲気を作りたいか?(例: 寝室でリラックスしたい)
- □ 【場所】 設置場所の寸法は? 電源(コンセント)は近くにあるか?
- □ 【数値】 必要な明るさ(ルーメン)、理想の色(ケルビン)は?
- □ 【製品】 テープLED? スタンド? どのアイテムが最適か?
- □ 【予算】 照明器具やパーツにかけられる予算はいくらか?
【推奨】ビフォーアフター撮影で効果を実感しよう
間接照明を設置する前に、ぜひ今の部屋の写真を撮っておいてください。そして、設置後に同じ角度から写真を撮って見比べてみてください。写真に写る部屋の雰囲気の劇的な変化に、あなた自身が最も驚くはずです。その感動が、あなたの暮らしをより豊かに、よりクリエイティブにしていく原動力となるでしょう。
さあ、あなたも光の魔法で、日常を特別な空間に変えてみませんか。