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「ご近所さんが外壁を塗り替え始めて、うちもそろそろかな…」
そう思いながらも、「けれど、ハウスメーカーに頼むべきなのか、工務店や塗装専門店がいいのか、さっぱり分からない」と悩んでいませんか?
ピンポンを鳴らしてくる訪問販売も不安だし、チラシも「今なら半額!」ばかりで決め手がない――外壁塗装をどこに頼むか、迷うのは当然のことです。
外壁塗装は100万円前後かかることもある「大きな買い物」で、どこに頼むかで仕上がりも安心感も大きく変わります。
ただし、初めての人にとっては、業者の種類も選び方も「分からないことだらけ」です。訪問販売やチラシの激安広告に焦って決めてしまって、後で後悔するケースも少なくありません。
この記事では、以下のことをお伝えします。
- 外壁塗装を頼める主な窓口(ハウスメーカー・工務店・ホームセンター・リフォーム会社・専門店)の特徴を整理する
- 優良業者を見極めるためのチェックポイントを、専門用語をかみ砕きながら紹介する
- 相見積もりの取り方、何社くらいに頼むのが目安か、見積書で見るべき点を解説する
- 訪問販売など”押しの強い営業”に対して、どう距離を取ればいいかもお伝えする
この記事を読みながら、自分の家と家族に合う”信頼できるパートナー”を選ぶつもりで読んでください。
外壁塗装は「どこに頼める?」主な依頼先5タイプを整理
まずは、外壁塗装を頼める主な窓口を整理しましょう。
ハウスメーカー:安心感は高いが費用は高め
「建てた会社に頼む安心感」
自宅を建てたハウスメーカーは、建てたときの図面やデータを持っています。そのため、外壁塗装の相談もスムーズに進みやすく、新築時から続く大手ならではの保証を継続できるメリットがあります。
社会的な信用もありますので、万が一の施工後のトラブルにも対応してくれる安心感がありますね。
費用が高くなりやすい
一方で、大手ハウスメーカーは、下請けの塗装業者に発注します。そこでマージン(仲介手数料)が発生し、工事代金が高くなる傾向があります。
塗装専門店の価格相場と比べると2割程度の差があることが多いと言われています。
また、ハウスメーカーのブランドによって、あらかじめある程度決められた色や塗料から選択をします。色や塗料にこだわりがあり、ハウスメーカーで取り扱っていないものを使う場合は、さらにコストがかかることもあります。
こんな人に向いています
- 高額でも大手の知名度に安心と期待を感じる人
- 自分ではデザインを決めきれないので、ある程度決まったものの中から選びたい人
- ハウスメーカーの延長保証を受けたい人(※外壁塗装工事をすることで、延長保証が受けられるハウスメーカーの場合)
地域の工務店:近さと柔軟さが魅力の”街の工事屋さん”
地域密着・顔が見える関係
工務店は、戸建ての住宅設計や施工を請け負い、市内や県内といった狭い範囲を主な営業基盤としている会社のことを指します。
ハウスメーカーとの違いとしては、地域密着型で事業を展開しているため、ハウスメーカーよりも距離感が近く、塗装の仕上がりや予算について柔軟に対応してくれる会社が多い傾向があります。
細かい要望を伝えやすく、「近所のことをよく知ってる」という安心感もあります。
外壁塗装の経験・実績をチェックしたい
ただし、工務店もハウスメーカーと同様に、実際の現場での施工は下請け業者に任せる場合が多く、作業の品質は下請け業者の知識や技術力などに左右されるという傾向があります。
工務店へ塗装工事を依頼した場合にも、下請け専門業者の作業料と工務店自身が受け取る中間マージンの両方が発生します。
工務店によって担当者の塗装に対する知識や、対応態度、過去の実績にバラツキがあります。外壁塗装にどれくらい注力しているか(実績・施工事例)を確認したいところです。
こんな人に向いています
- 地域に密着している方が安心できる人
- 新築時から付き合いのある工務店がある人
ホームセンター・家電量販店:窓口は大手、施工は委託が多い
気軽に相談できる、ポイントが貯まる
最近は、ホームセンターや家電量販店の中に、リフォームサービスの一環として外壁塗装を受け付けているところがあります。
買い物ついでに相談しやすく、身近な店舗に依頼できるので安心感があります。独自のポイント制度があることも多く、普段使う店舗であれば、高額な工事費用に対してポイントを貯められることも強みになるでしょう。
一番のメリットは、ネームバリューのある会社がほとんどなので外壁塗装業界によくある「悪徳業者にぼったくられた」などはほとんどないことです。
実際の施工は提携業者が行う
一方で、実際の工事は提携業者に委託されることになるので、施工品質は提携先によって異なります。また、担当者の専門知識が不十分な場合もあり、細かい技術的な相談には対応できないことがあります。
中間マージンが発生しやすい可能性もあるため、価格面では専門店と比べて割高になることもあります。
こんな人に向いています
- 買い物のついでに相談したい人
- 大手企業の安心感を重視する人
- ポイントを貯めたい人
リフォーム会社:他の工事とまとめて相談したい人向き
屋根や水まわりも一括相談できる
リフォーム会社は、外壁塗装を含めた住宅リフォーム全般を手がける業者を指します。外壁塗装だけでなく、屋根の修理や雨樋(あまどい)の交換、その他の住宅リフォーム工事まで、建物全体の不具合を見て相談に乗ってくれるところが多いのが特徴です。
外壁塗装を依頼した際に、他のリフォーム工事も一緒に頼みやすいというのがメリットです。業者によりますが、まとめて頼んだ場合は安くなる可能性もあるため、複数箇所のリフォームを検討している方は相談してみるといいでしょう。
外壁塗装の専門性・施工体制をチェックする
デメリットとしては業者によって、外壁塗装の経験や技術に差が出ることです。
いろいろなリフォームに対応できることが強みですが、得意領域やそうでない領域などが存在します。そのため外壁塗装の実績があるか、を確認する必要があります。
また、塗装工事自体は別会社に外注する場合も多く、塗装専門店と比べると工事費用が割高になりやすいです。外注先の技術力によって施工品質にばらつきが出る可能性もあるため、実際の施工体制について事前に確認するとよいでしょう。
こんな人に向いています
- 外壁塗装と一緒に、他のリフォームも検討している人
- 家全体のメンテナンスをまとめて相談したい人
外壁塗装・屋根塗装の専門店:価格と専門性のバランス
塗装工事に特化、価格が比較的抑えられやすい
塗装専門店は、外壁塗装を専門に行っている業者で、知識が豊富で技術が高い特徴があります。
ほとんどの場合は、自社の職人で施工を行うため、最も価格が抑えられて高品質な施工を行うことができます。
自社施工の業者は、中間マージンがかからないので、下請けが施工を行う業者よりも費用を抑えることができます。また、自社の職人なので、施工手順の厳守やお客様対応などの教育が行き届いている場合が多いです。
会社によって品質に差が出やすい
一方で、会社によって品質に差が出やすいため、「実績・資格・保証」をしっかり見るべきです。
塗装専門店は、自社施工の場合がほとんどで、最も塗装の技術や知識が豊富な種類の業者です。ただし、塗装専門店の中でも優劣があるので、複数の塗装専門店からお見積もりをとって比較検討することをおすすめします。
こんな人に向いています
- 費用を抑えたい人
- 塗装の専門性・技術力を重視する人
- 地域密着型の業者に頼みたい人
依頼先5タイプの比較表
| 依頼先タイプ | メリット | デメリット | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| ハウスメーカー | ・安心感が高い<br>・図面データがある<br>・保証が手厚い | ・費用が高め(2割程度高い)<br>・下請けに外注が多い | 大手の安心感重視、延長保証を受けたい |
| 地域の工務店 | ・地域密着で顔が見える<br>・細かい要望を伝えやすい | ・下請けに外注が多い<br>・外壁塗装の経験にバラツキ | 地域密着が安心、付き合いのある工務店がある |
| ホームセンター・家電量販店 | ・気軽に相談できる<br>・ポイントが貯まる<br>・ネームバリュー | ・実際の施工は提携業者<br>・中間マージン発生 | 買い物ついでに相談、大手の安心感 |
| リフォーム会社 | ・他のリフォームも一括相談<br>・まとめて頼むと安くなることも | ・外壁塗装の専門性にバラツキ<br>・外注の場合は割高 | 外壁以外のリフォームも検討中 |
| 外壁塗装専門店 | ・価格が抑えられる<br>・専門性・技術力が高い<br>・自社施工が多い | ・会社によって品質に差<br>・実績・保証の確認が必要 | 費用を抑えたい、専門性重視 |
この表から、依頼先によって「費用」「安心感」「専門性」「柔軟性」のバランスが異なることが分かります。
例えば、「費用を抑えたい」なら専門店、「大手の安心感を重視」ならハウスメーカーやホームセンター、「地域密着が安心」なら工務店や専門店、「他のリフォームもまとめて」ならリフォーム会社――という具合に、自分が何を大切にしたいかで選ぶタイプが変わってきます。
失敗しない外壁塗装業者の選び方チェックリスト
どのタイプの業者を選ぶにしても、「優良業者かどうか」を見極めることが大切です。
許可・資格:最低限ここは押さえたい
建設業許可・塗装技能士
実は、外壁塗装業を開業する際は免許や許可を取る必要はありません。そのため、どのような業者でも仕事さえあれば外壁塗装業を行うことはできます。
しかし、「塗装技能士」や「建設業許可証」は長年の実績と経験がなければ取得できないため保有している業者であれば信用力は大幅に増します。
「塗装技能士」の合格証書や「建設業の許可票」といった国や行政からの許可・資格を業者が保有しているか確認してみましょう。
資格を持っている人が実際に現場を見ているか
資格の有無だけでなく、「資格を持っている人が実際に現場を見ているか」もポイントです。
会社が資格を持っていても、実際に現場に来るのが無資格のアルバイトだけ…ということもあるためです。
ホームページ・施工事例・口コミの見方
施工実績の写真・ビフォーアフター
外壁塗装業者の善し悪しは、その業者のホームページからある程度判断できます。
多くのお客様の相手をしている施工店であれば当然多くの工事実績を持っています。
施工実績に「お客様の声」として依頼主の笑顔と文章だけを掲載している業者もありますがそれだけでは実際に塗装が行われたかわかりません。
実際にその業者が手掛けた施工事例かどうかを知るためには、足場工事、高圧洗浄、コーキング工事、養生、下塗り・中塗り・上塗りなどの各工程の写真が施工現場別に掲載されていることを確認しましょう。
ホームページがない/情報が極端に少ない場合
ただし、一概にホームページの情報が不足しているから100%信用できないとはいえません。少人数で運営する業者だと、ホームページの更新に手が回っていないだけの可能性もあります。
不足している情報は、業者に直接追加質問・確認し、納得できる回答を得るようにしましょう。
保険・保証・アフターフォロー
損害保険・施工後の保証
外壁塗装業者など建設業者向けの保険に加入していることを確認しましょう。
万が一建物の一部が破損したり盗難に遭ったりしても、業者が「建設工事保険」や「請負業者賠償責任保険」に加入していれば、事故で受けた損害が保険金から賄われます。
あるいはもし業者が経営不振や倒産などにより補修できない状態になっても、保険会社からリフォーム費用が支払われる「リフォーム瑕疵保険」などもあります。
ただし保険は業者が加入していない限り施主が何をしても絶対に利用できません。そのため加入の有無は必ず契約前に確認しておきましょう。
保証内容と期間
充実した保証によるアフターフォローを受けられるかどうかも、業者選びでは重要なポイントになります。
外壁塗装の保証には、「自社保証」「メーカー保証」「第三者保証」の3種類がありますが、いずれの保証制度にしても、「どのようなトラブルに対し、どのようなアフターフォローを行うのか」という保証の内容が重要となります。
いくら保証期間が長期間であっても、対象範囲が限定的な場合には不具合が発生しても、補償対象外として対応してもらえない場合もあります。
保証内容やアフターフォローについては、しっかりと確認しておく必要があります。
「保証内容が曖昧」「口頭での約束のみ」は避けたいところです。
自社施工か、下請け任せか
自社職人・自社管理のメリット
自社施工の業者は、中間マージンがかからないので、下請けが施工を行う業者よりも費用を抑えることができます。
また、自社の職人なので、指示が通りやすく、施工手順の厳守やお客様対応などの教育が行き届いている場合が多いです。
元請け→下請け→孫請け構造のデメリット
中間マージンはハウスメーカー、工務店、外壁塗装業者やリフォーム会社など業者の種類に関わらず下請け業者が関われば必ず発生します。
業者によって中間マージンの設定額に差はありますが、上乗せされた中間マージンの費用は施主が負担しなければならず、工事とは関係のないお金を余分に支払うことになるためできれば発生を避けたい費用です。
見積書の内容と担当者の対応
「一式」表記ばかりでないか
どこの部分に何の塗料を使う予定なのかの記載がされずにざっくりと書かれている場合は要注意です。塗料は種類も価格も様々ですので、使用する(提案)塗料や材料の耐用年数や特徴が別途記載されたものが貼付されていれば尚良いです。
見積書の表現で注意が必要なのは「一式」という言葉です。主に工事内容の範囲を指す時に使われることが多く、「養生一式」「コーキング一式」などと書かれて金額が添えられている見積書も見受けられます。
こうした見積書では、工事内容を「一式」でまとめてしまうため、具体的にどのくらいの範囲でどのような作業が発生するのかを把握しにくく、他社の見積もりとの比較も困難になります。
そのため「一式」表記で見積書が作成されている場合、塗装面積を表すm2(平方メートル・平米)などの単位で具体的な数字をもとに計算し直してもらえるように依頼すると安心です。
平米数・塗料の種類・工程が書かれているか
見積書には、以下の内容が書かれていることが望ましいです。
- 塗装面積(平米数)
- 塗料の種類・メーカー・製品名
- 工程(足場・高圧洗浄・下地補修・養生・下塗り・中塗り・上塗りなど)
- 下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りか
担当者の説明が分かりやすいか
担当者の説明が分かりやすいか、質問への反応など”人”の印象も重要です。
見積書を受け取った後に項目ごとの詳細について業者に説明をしてもらうと、双方の認識を共有しやすくなります。ご不明な点はもちろん何でも質問してください。
優良業者チェックリスト
以下のチェックリストを参考に、業者を選びましょう。
- □ 建設業許可・塗装技能士などの資格を持っているか
- □ 資格を持っている人が実際に現場を見るか
- □ ホームページに施工事例(各工程の写真)が掲載されているか
- □ 口コミ・評判が良いか
- □ 損害保険に加入しているか
- □ 施工後の保証内容が明確か(書面で確認できるか)
- □ 自社施工か、下請けに外注か
- □ 見積書に平米数・塗料の種類・工程が書かれているか
- □ 見積書に「一式」表記ばかりでないか
- □ 担当者の説明が分かりやすく、質問に丁寧に答えてくれるか
このチェックリストで、5個以上に✓がつく業者なら、ある程度信頼できると考えてよいでしょう。逆に、3個以下なら、他の業者も検討した方が安心です。
見積もりは何社に頼む?相見積もりで比較すべきポイント
外壁塗装の見積もりは、複数の業者から取る「相見積もり」が基本です。
相見積もりは2〜3社を目安に
なぜ1社だけでは相場感が分からないのか
1社だけの見積もりでは、提示された金額が適正なのか、工事内容が妥当なのかを判断するのが難しいです。
複数の業者から見積もりを取ることにより、同じ条件での見積もり金額の平均や費用相場を把握できるほか、必要な工事内容を再確認することにも役立ちます。
多すぎると比較が大変になる
相見積もりは2〜3社が理想的です。見積りにも1時間半〜2時間の現調(点検)に診断用DVD作成や見積作成に約1週間などと時間と手間がかかりますので、信頼できる業者を2〜3社絞り出し依頼するのが理想の見積りの取り方です。
あまりに多すぎると「迷って決められない」「見積もりを比較するのに疲れる」ということも。地域や評判を調べて、ここならお願いしてもいいと思えるところを3社くらいに絞りましょう。
条件をそろえて見積もりを取る
同じ塗料グレード・色・工事範囲で依頼
相見積もりを取る際は、同じ塗料グレード・色・工事範囲で依頼する必要性があります。
条件がバラバラだと比較しづらくなります。例えば、A社はシリコン塗料、B社はフッ素塗料、C社はウレタン塗料…という具合に条件が違うと、金額の差が「業者の違い」なのか「塗料の違い」なのか分からなくなってしまいます。
相見積もりであることを伝える
相見積もりをされる場合は、業者に「相見積もりである」ことを伝えましょう。
相見積もりであることを業者に伝えた上で見積もりを依頼することにより、業者の立場からすると他社ではなく自社を選んでもらうため、見積もり金額の値引きやサービスの向上を提示する可能性が高まります。
見積もりを取った業者に断りの連絡を入れる時にも、事前に相見積もりであることを伝えておけば、両者にとって心理的な負担が軽くなるメリットもあります。
「安さ」だけで決めないための見方
極端に安い見積もりのリスク
極端に安い見積もりの裏にあるリスク(手抜き工事・保証がない・後から追加請求など)の可能性があります。
同じ材料を使い、同様の工程を踏んでいるにも関わらず、高すぎる場合は料金の水増しをしている恐れがあります。見積書の内容で不明瞭な部分がないかや、なぜ他社と比較して高値なのかをしっかり確認することが大切です。
反対に、安すぎる場合は手抜き工事をされる可能性があるので、気を付けましょう。契約を得るために費用を低く設定して、工事内容を削減したり、材料のグレードを下げたりする悪徳業者も存在します。
外壁塗装の見積書では、「足場代無料」「出精値引き」などの名目で、無理な額の値引きがされるケースがあります。外壁塗装の見積もりでは、値引きが行われるとしても数千円程度が目安であり、10万円を超える値引きには注意が必要です。
金額だけでなく「総合点」で判断
金額だけでなく、「説明の丁寧さ」「保証内容」「会社の安定性」も含めた”総合点”で判断することが大切です。
見積書は、適切な施工を行える優良業者であるのかどうかを見きわめるヒントでもあります。それに、大切な「契約」ですから、見積書の内容をご自身でしっかりと理解し、そのうえで決定することがきわめて重要なのです。
家族会議で決めるときのポイント
家族間で重視したいポイントをすり合わせる
家族間で重視したいポイント(価格・安心感・スケジュールなど)をすり合わせる重要性があります。
一人で抱え込まず家族で話し合うメリットは、「後で”あのとき相談してくれれば…”と言われない」「家族の意見を聞くことで、見落としていたポイントに気づける」などがあります。
「なんとなく営業さんの印象が良い」も判断材料
「なんとなく営業さんの印象が良い」も、一定の判断材料になり得ます。
外壁塗装は1回の工事で終わりではなく、今後も長期的に外壁のメンテナンスで付き合いが生まれることが多いです。自宅のメンテナンスを安心して任せられるパートナーを選ぶためにも、相見積もりを活用して信頼できる業者を見極めましょう。
訪問販売・激安チラシには要注意!よくあるトラブルと見分け方
訪問販売や激安チラシで契約してしまい、後で後悔するケースは少なくありません。
訪問販売で起こりがちなトラブル例
「すぐに塗らないと家が傷みます」「今日中なら半額」
訪問販売によるリフォーム工事では、「契約をせかされて不要なリフォーム工事をした」などといった相談が国民生活センターに寄せられています。
また、点検に来たと言って来訪し、「工事をしないと危険」などと言って商品やサービスを契約させる「点検商法」の相談が寄せられています。
国民生活センターには「点検商法」による相談が毎年5,000件以上寄せられています。相談に上がっている分だけでも、被害は毎月400件を超えます。
実際のトラブル事例
- 突然来訪した業者に自宅の屋根がずれているので無料点検すると言われ、点検後、瓦がずれている画像を見せられ屋根工事の契約をした。しかし、同業他社から高額と指摘され、クーリング・オフしたい。
- 訪問販売で、戸建住宅の外壁塗装工事を依頼した。しかし、請求金額がメーカーの設定価格より2倍以上と高額で納得できない。
こんな営業トークが出たら要注意
即決を迫る、大幅値引き
以下のような営業トークが出たら、要注意です。
- 「すぐに塗らないと家が傷みます」「このままだと雨漏りしますよ」
- 「今日中なら半額」「キャンペーン中で今だけ特別価格」
- 「近所で工事をしているので、足場代が無料になります」
- 他社の悪口ばかり言う
- 「〇〇万円値引きします」(10万円を超える大幅値引き)
「契約書を見せてくれない」「見積もりが異常にざっくり」
行動面でも、以下のような点が見られたら注意が必要です。
- 契約書を見せてくれない、持ち帰らせてくれない
- 見積もりが異常にざっくり(「一式」ばかり)
- 無料点検を申し出る(屋根に登って故意に破損させる可能性も)
- 会社の所在地・連絡先が不明瞭
断り方と、もし契約してしまったときの対処法
基本は「家族と相談してから」
訪問販売が来たら、重要なことは以下2点です。
- ドアを開けない: インターホン越しで対応する
- 1ミリも期待させない: 「外壁塗装をする予定はありません」ときっぱり伝える
基本は「家族と相談してから」「他社にも見積もりを取る予定です」と伝え、その場で契約しないことが大切です。
クーリング・オフ制度
もし契約してしまった場合でも、クーリング・オフ制度があります。
クーリング・オフは、訪問販売などで契約した後、一定期間内(通常8日間)であれば無条件で契約を解除できる制度です。
契約書面を受け取った日を1日目として8日以内であれば、クーリング・オフが可能です。書面(ハガキなど)で通知する必要がありますので、詳しくは消費生活センターに相談してください。
困ったら消費生活センターに相談
困ったら最寄りの消費生活センターに相談できます。
消費者ホットライン「188(いやや!)」は、国民生活センターが運営する相談窓口です。全国どこからでも「188」に電話するだけで、最寄りの消費生活センターにつながります。
訪問販売による契約のクーリングオフの方法などをアドバイスしてもらえます。相談は無料なので、不安を感じたらすぐに相談しましょう。
チラシやネット広告との付き合い方
「特別大幅値引き」「今だけ◯◯円」
「特別大幅値引き」「今だけ◯◯円」などの文言との向き合い方ですが、チラシや広告はあくまで”きっかけ”であり、そこから会社の実態を自分で確認することの大切さを理解しておきましょう。
チラシやネット広告を見て興味を持つこと自体は問題ありませんが、その会社について、ホームページ・施工事例・口コミ・資格・保証などをしっかり確認してから問い合わせるようにしましょう。
初めての外壁塗装で後悔しないための進め方ステップ
ここでは、初めての外壁塗装で後悔しないための進め方を、ステップごとに整理します。
ステップ1: 自宅の状態チェック
まずは、自宅の外壁の状態を簡単にチェックしましょう。
- ひび割れ(クラック)がないか
- 色あせ・変色していないか
- チョーキング(手で触ると白い粉がつく)
- カビ・コケが生えていないか
これらのサインが見られたら、外壁塗装を検討するタイミングです。
ステップ2: 依頼先タイプをざっくり決める
「ハウスメーカーか、専門店か」など、依頼先タイプをざっくり決めます。
- 大手の安心感を重視 → ハウスメーカー・ホームセンター
- 費用を抑えたい → 専門店
- 地域密着が安心 → 工務店・専門店
- 他のリフォームもまとめて → リフォーム会社
ステップ3: 候補の業者を2〜3社に絞り、現地調査・見積もりを依頼する
候補の業者を2〜3社に絞り、現地調査・見積もりを依頼します。
- ホームページで施工事例・口コミをチェック
- 建設業許可・塗装技能士などの資格を確認
- 同じ条件(塗料グレード・色・工事範囲)で見積もりを依頼
- 相見積もりであることを伝える
ステップ4: 見積書と担当者の対応を比較し、家族で話し合う
見積書と担当者の対応を比較し、家族で話し合います。
- 見積書に平米数・塗料の種類・工程が書かれているか
- 「一式」表記ばかりでないか
- 極端に安い、または高い見積もりでないか
- 担当者の説明が分かりやすいか、質問に丁寧に答えてくれるか
- 家族間で重視したいポイント(価格・安心感・スケジュール)をすり合わせる
ステップ5: 契約前に「保証内容」「工期」「支払い条件」をもう一度確認する
契約前に、以下の点をもう一度確認します。
- 保証内容と期間(書面で確認できるか)
- 工期(いつから、何日間)
- 支払い条件(前払い・分割・工事完了後など)
- 契約書の内容(クーリングオフの対象になるか)
契約書の内容は、施工に関するトラブルを防ぐ重要なポイントです。書面にサインする前に、漏れのないチェックを行いましょう。
外壁塗装はどこに頼む?自分の家に合うパートナーの見つけ方【まとめ】
最後に、記事全体のポイントを整理しましょう。
外壁塗装を頼める窓口は5タイプあり、それぞれ得意・不得意がある
- ハウスメーカー: 安心感が高いが費用は高め
- 地域の工務店: 地域密着で柔軟だが、外壁塗装の経験にバラツキ
- ホームセンター・家電量販店: 気軽に相談できるが、実際の施工は提携業者
- リフォーム会社: 他のリフォームも一括相談できるが、専門性にバラツキ
- 外壁塗装専門店: 価格が抑えられ専門性が高いが、会社によって品質に差
優良業者選びには、「資格・実績・保証・自社施工・見積書・担当者の対応」を見る
- 建設業許可・塗装技能士などの資格を持っているか
- 施工事例(各工程の写真)が掲載されているか
- 損害保険・施工後の保証内容が明確か
- 自社施工か、下請けに外注か
- 見積書に平米数・塗料の種類・工程が書かれているか
- 担当者の説明が分かりやすいか
相見積もりは2〜3社を目安に、条件をそろえて比較する
- 1社だけでは相場感が分からない
- 多すぎると比較が大変になる
- 同じ塗料グレード・色・工事範囲で依頼
- 相見積もりであることを伝える
- 「安さ」だけでなく「総合点」で判断
訪問販売や激安チラシは焦って契約せず、クーリングオフや相談窓口を知っておくと安心
- 「すぐに塗らないと家が傷みます」「今日中なら半額」は要注意
- 基本は「家族と相談してから」と伝え、その場で契約しない
- もし契約してしまっても、クーリング・オフ制度がある
- 困ったら消費者ホットライン「188」に相談
「100点満点の業者」よりも、「自分たちの条件に合った、信頼できる1社」を見つけよう
外壁塗装は、100万円前後かかる大きな買い物です。だからこそ、「100点満点の業者」を探そうとしすぎて動けなくなるより、「自分たちの条件に合った、信頼できる1社」を見つける意識を持ちましょう。
- 「大手の安心感」を重視するなら、ハウスメーカーやホームセンター
- 「費用を抑えたい」なら、専門店
- 「地域密着が安心」なら、工務店や専門店
- 「他のリフォームもまとめて」なら、リフォーム会社
自分が何を大切にしたいかを明確にして、相見積もりで比較しながら、「この業者なら安心して任せられる」と思える1社を選んでください。
外壁塗装は、家を守る大切なメンテナンスです。焦らず、じっくりと、自分の家と家族に合う”信頼できるパートナー”を見つけてくださいね。