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せっかくのマイホーム、家族が集まるリビングの主役「テレビ周り」は、後から「こうすれば良かった…」と後悔したくない場所のナンバーワンです。実は、テレビ周りの快適さや美しさは、建築中の最初の設計で8割が決まると言っても過言ではありません。
この記事では、見た目がおしゃれな「壁掛けテレビ」の配線計画から、最も快適に見られるテレビの高さと視聴距離、見落としがちなアンテナ&ネット配線の同時設計、さらには将来の買い替えリスクまでを網羅。後悔ゼロのテレビ計画を、専門的な知識と豊富な実例を元にご提案します。
テレビ設置を決める前に知る3大要素【サイズ・高さ・視聴距離】
まず最初に決めるべきは、物理的なテレビの位置です。これを間違えると、首が疲れたり、目が疲れたりと、毎日のリラックスタイムが苦痛になってしまいます。
最適な視聴距離は「テレビ画面の高さ × 3」が目安と言われています。これを基に、部屋の広さに合ったテレビサイズを決めましょう。
テレビサイズ | フルHD | 4K |
---|---|---|
55インチ | 約2.1m | 約1.0m |
65インチ | 約2.4m | 約1.2m |
75インチ | 約2.8m | 約1.4m |
次に重要なのがテレビの高さ。基本は、ソファに座った時の目線の高さに、テレビ画面の中心が来ることです。
- 計算式: 床からソファ座面までの高さ + 座高の半分 – 床からテレビ中心までの高さ ≒ 0
- 一般的な目安: 床からテレビ画面の中心までが100cm〜110cm
この3つの要素を最初に決めることが、後悔しないテレビ計画のスタートラインです。
壁掛け vs 置き型:メリット・デメリット比較
新築時に最も悩むのが「壁掛け」にするか、「置き型(テレビ台)」にするか。それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。
比較項目 | 壁掛けテレビ | 置き型テレビ |
デザイン性 | ◎ 部屋が広く、すっきり見える | △ テレビ台のデザインに依存 |
安全性(耐震) | ◎ 倒れる心配がない | × 転倒リスクあり(対策必要) |
掃除のしやすさ | ◎ 配線が隠れ、床掃除が楽 | × テレビ台周りにホコリが溜まりやすい |
初期費用 | △ 壁補強や工事費がかかる | ○ テレビ台の費用のみ |
位置変更の自由度 | × 難しい | ◎ 簡単 |
周辺機器の接続 | △ 事前の配線計画が必須 | ○ 簡単に追加・変更できる |
新築時にしかできない「壁内配線」を行えば、壁掛けテレビのメリットは最大化されます。
失敗しない配線計画:スター配線と隠蔽ダクトの基本
「テレビ裏の配線がごちゃごちゃ…」「コンセントが足りない!」これらは、新築におけるテレビ周りの後悔で最も多い失敗例です。これを防ぐのが、「スター配線」と「隠蔽配管(隠蔽ダクト)」です。
- スター配線とは?
家の中心に「情報分電盤(マルチメディアポート)」を設置し、そこから各部屋のアンテナ端子やLAN端子へ、それぞれ一本の配線を星形(スター状)に引く方式。電波の劣化が少なく、将来の通信規格の変化にも対応しやすいのが特徴です。 - 隠蔽配管(CD管)とは?
壁の中に、あらかじめCD管と呼ばれるオレンジ色の空の配管を通しておく方法。将来的にHDMIケーブルやLANケーブルを新しい規格のものに交換したくなった時も、この管を通して簡単にケーブルを入れ替えることができます。
これらは建築中にしか施工できないため、設計段階でハウスメーカーや工務店に「スター配線と、テレビ用の隠蔽配管をお願いします」と伝えることが非常に重要です。
テレビニッチ・間接照明・収納一体型の実例集
配線計画と合わせて考えたいのが、テレビ周りのデザインです。最近のトレンドは、壁を少しへこませてテレビを設置する**「テレビニッチ」**です。
(写真:SUUMOやInstagramから引用した、おしゃれなテレビニッチの事例を想起させる描写。壁の一部が凹んでおり、そこに壁掛けテレビがぴったりと収まっている。上下には間接照明が仕込まれ、柔らかな光を放っている様子)
テレビニッチにすることで、テレビの出っ張りがなくなり、壁と完全に一体化します。さらに、上下に間接照明を仕込めば、夜はシアターのような落ち着いた雰囲気を演出できます。
アンテナ工事&ネット回線を同時に計画する理由
テレビの設置計画は、テレビ本体だけでなく、電波を受信する「アンテナ」と、インターネットに接続する「ネット回線」までをセットで考えるのが成功の秘訣です。
新築の場合、テレビアンテナは主に以下の選択肢があります。
- UHFアンテナ(八木式アンテナ): 魚の骨のような形で、受信感度が最も高い。
- デザインアンテナ: 箱型で外壁に馴染むデザインのテレビアンテナ。
- 光回線テレビ(フレッツ・テレビなど): アンテナ不要。ネット回線とセットで契約。
これらを家の設計段階で決めておくことで、前述の「スター配線」と合わせて、全ての部屋で安定したテレビ視聴とインターネット環境を、最もスマートな配線で実現できます。
買い替え・拡張に備える“未来対応”チェックリスト
10年後、20年後も快適に過ごすために、将来の変化に対応できる設計をしておきましょう。
- □ 壁内配管(CD管)は複数本通したか?
将来、新しい規格のケーブルが出てきても対応できるよう、予備の配管を通しておくと安心です。 - □ コンセントの数は十分か?
テレビ、レコーダー、ゲーム機、サウンドバー、スマートスピーカー…テレビ周りは電源を多く使います。最低でも4〜6口は確保しましょう。 - □ 下地補強の範囲は広いか?
将来、より大きなテレビに買い替える可能性を考え、金具の取り付け位置を変えられるよう、壁の補強範囲は広めにしておくと安心です.
プロに任せる?DIY?費用と工期のリアル
新築時のテレビ周りの工事にかかる費用は、以下の通りです。
工事内容 | 費用相場(目安) |
壁掛けテレビ設置(下地補強+壁内配線) | 100,000円 ~ 200,000円 |
アンテナ設置工事(地デジ+BS/CS) | 40,000円 ~ 80,000円 |
スター配線工事 | 50,000円 ~ 100,000円 |
これらは専門的な知識と技術が必要なため、基本的にはハウスメーカーや専門業者に任せるのが安全です。特に、壁内への配線や下地補強は、建築後に行うと費用がさらに高くなるため、必ず設計段階で依頼しましょう。
まとめ:後悔ゼロのテレビ計画ロードマップ
最後に、後悔しないためのテレビ計画の進め方を、ロードマップとしてまとめます。
- 【Step1:プランニング】 ソファの位置と、テレビのサイズ・高さを決める。
- 【Step2:設置方法の決定】 壁掛けにするか、置き型にするか決める。
- 【Step3:配線計画】 壁掛けにするなら、ハウスメーカーに「スター配線」と「隠蔽配管」を依頼する。
- 【Step4:受信方法の決定】 アンテナを立てるか、光回線テレビにするか決め、ネット回線も同時に申し込む。
- 【Step5:将来設計】 コンセントの数や下地補強の範囲など、将来の拡張性を考慮に入れる。
新築は、理想のテレビ環境をゼロから作り上げる絶好のチャンスです。この記事を参考に、建築士や工務店の方としっかり打ち合わせを行い、10年後も満足できる最高のテレビライフを手に入れてください。