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デジタル遺品整理とは、亡くなった人が残したスマートフォン、パソコン、クラウド上の写真、SNS、メール、サブスクリプション、ネット銀行、証券口座、暗号資産などを見つけ、必要なデータを守りながら、相続・解約・削除・端末処分まで進める作業です。基本の順番は「保全する→一覧化する→優先順位をつける→各社の正式な手続きを行う→最後に消去・処分する」で、この順番を守ることが最大のポイントです。
「スマホの暗証番号が分からない」「毎月の引き落としが続いている」「ネット銀行や暗号資産があるかもしれない」。こうした状況に直面すると、早く何とかしなければと焦り、家族だけで急いで操作してしまうことがあります。ですが、実はその「急ぐ操作」こそが、後戻りできない事態を招く一番の原因なのです。
端末を開くことやデータを消すことだけが、デジタル遺品整理ではありません。確認前の初期化や売却によって、家族写真、契約情報、資産の手がかり、二段階認証に必要な電話番号まで失うことがあります。今すぐ触ってよいものと止めたほうがよい操作を切り分けられれば、選択肢を狭めずに進められます。
この記事では、家族で進める方法と専門家へ相談する目安を、状況別に整理します。まずは、今の状況に近いものから確認してください。
| 今の状況 | 最初にすること | 避けたいこと |
|---|---|---|
| ロックされたスマホがある | 電源・充電環境を確保し、端末情報を記録する | 暗証番号を何度も推測する、初期化する |
| 料金の引き落としが続く | 通帳・カード明細・メールから契約名を一覧化する | 内容を確認せず口座や電話番号をすぐ止める |
| ネット資産がありそう | 金融機関・取引所の正式な相続窓口を確認する | 故人になりすまして取引・送金する |
| 写真や動画を残したい | 元データを保全し、複製先と閲覧者を決める | 端末1台だけに残したまま処分する |
| 部屋と端末を同時に片付けたい | 重要端末・書類を先に分離し、作業範囲を見積もる | 回収品へスマホや記録媒体を混ぜる |
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デジタル遺品整理とは、故人の「端末・アカウント・契約・資産」を整理すること
デジタル遺品は、形のある機器と、インターネット上にある情報の両方にまたがります。スマホやパソコンは見つけやすい一方、クラウド、SNS、定額サービス、ネット銀行などは、家族が存在を知らないまま残ることがあります。
整理の目的は、すべてを一律に削除することではありません。家族に残す写真、相続手続きが必要な資産、解約する契約、第三者へ見せるべきでない個人情報を分け、それぞれに合った処理を行います。
| 分類 | 具体例 | 主な対応 |
|---|---|---|
| 端末・記録媒体 | スマホ、パソコン、タブレット、外付けSSD、USBメモリ、SDカード | 保全、データ確認、初期化、譲渡・処分 |
| 思い出・制作物 | 写真、動画、日記、原稿、音源、クラウドファイル | 複製、共有範囲の決定、保存 |
| 連絡・SNS | メール、LINE、Facebook、Instagram、X、ブログ | 保存、追悼・削除・停止など各社手続き |
| 契約・課金 | 動画配信、音楽、アプリ、クラウド、通信、通販会員 | 請求確認、解約、返却物確認 |
| 金融資産 | ネット銀行、証券、電子マネー、ポイント、暗号資産 | 残高確認、相続窓口への連絡、税務確認 |
| 仕事・第三者情報 | 会社メール、顧客情報、共同制作データ、業務端末 | 勤務先・共同権利者へ連絡し、勝手に閲覧しない |
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遺品整理・デジタル終活・データ消去との違い
似た言葉でも、実施する時期と目的が異なります。役割を混ぜると、保存すべき情報を消したり、必要な契約を見落としたりしやすくなります。
| 言葉 | 行う時期 | 中心となる目的 |
|---|---|---|
| 遺品整理 | 本人の死後 | 衣類・家具・書類・貴重品など、暮らし全体を仕分ける |
| デジタル遺品整理 | 本人の死後 | 端末、オンライン情報、契約、資産を保全・確認・処理する |
| デジタル終活 | 本人が元気なうち | 家族が迷わないよう、情報の所在と希望を準備する |
| データ消去 | 譲渡・売却・廃棄の直前 | 端末に個人情報を残さないよう安全に消去する |
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部屋の片付けを進めると、端末、契約書、カード、認証機器、メモなどが同時に見つかります。そのため、物理的な遺品整理とデジタル遺品整理は連携が必要ですが、端末の解析やアカウント手続きは別の専門領域です。遺品整理業者へ依頼する場合も、「機器を見つけて分別する作業」と「データを取り出す作業」を分けて確認しましょう。
家族が最初に行うこと|消す前に「保全」と「所在確認」
身近な人が亡くなった直後は、葬儀、役所、住居、相続など多くの対応が重なります。デジタル遺品は後回しになりがちですが、急いで端末を操作する必要もありません。先に、失うと戻しにくいものを守ります。
1.端末を初期化・売却・廃棄しない
スマホやパソコンには、写真だけでなく、契約確認メール、金融機関からの通知、認証アプリ、連絡先が残っている可能性があります。中身を確認する前に初期化すると、資産や契約を探す手がかりまで失います。
2.暗証番号を何度も推測しない
端末は、誤った暗証番号の入力が続くと待機時間が延びたり、設定によってはデータ保護のための処理が行われたりすることがあります。家族が思いつく番号を順番に試すのではなく、端末の機種、表示内容、電源状態を記録し、メーカーや専門家の案内を確認します。
3.端末・ケーブル・SIM・記録媒体を一か所に集める
スマホ本体だけでなく、充電器、古い端末、外付けドライブ、USBメモリ、SDカード、セキュリティキー、紙のメモも対象です。端末ごとに写真を撮り、見つけた場所、所有者、電源が入るかを一覧にします。
4.電話番号とメールをすぐ解約しない
電話番号やメールアドレスが、ログイン確認、パスワード再設定、二段階認証、契約通知に使われている場合があります。請求を止めたい気持ちは自然ですが、必要な手続きが終わる前に解約すると、確認手段を失うことがあります。通信会社へ死亡時の手続きと猶予を相談し、順番を決めてください。
5.相続人の間で担当者と記録方法を決める
一人が勝手に端末を持ち帰ったり、アカウントを削除したりすると、後から確認が難しくなります。誰が端末を保管するか、どの情報を確認したか、どこへ連絡したかを共有します。金融資産や事業データが関係する場合は、弁護士、税理士、司法書士などへの相談も検討します。
端末がロックされている/暗号資産のウォレットらしきアプリや機器がある/仕事用端末や顧客情報がある/相続人間で意見が分かれている/故人以外の秘密や個人情報が大量に含まれる場合は、独断で操作せず、必要な専門家やサービス提供会社へ確認します。
デジタル遺品を放置・誤操作すると起こりうる5つの問題
- 有料契約の請求が続く:動画、音楽、クラウド、アプリ、レンタル機器などの月額料金が残る
- 資産の存在に気づけない:ネット銀行、証券、暗号資産、電子マネー、ポイントの手がかりを見落とす
- 写真や制作物を失う:端末の故障、解約、アカウント削除、初期化によって思い出が戻せなくなる
- 個人情報が漏れる:未消去の端末を売却・廃棄し、連絡先や写真、認証情報が第三者へ渡る
- 家族間のトラブルになる:閲覧・削除・形見分け・資産処理を一人で決め、他の相続人が確認できなくなる
「早く全部消す」ことも「何もせず放置する」ことも、どちらも適切とは限りません。金銭や契約に関わるものを先に確認し、思い出やSNSは家族の希望を聞きながら進めると、判断の負担を分けられます。
デジタル遺品整理の進め方|8ステップ
ステップ1.確認できる立場と目的を整理する
相続人、遺言執行者、勤務先、共同事業者など、データによって確認すべき人が異なります。「家族だから全データを自由に閲覧できる」と決めつけず、財産確認、契約停止、思い出保存など、必要な目的を明確にします。
ステップ2.端末と手がかりを一覧化する
端末名、電話番号、メールアドレス、カード明細、通帳、郵便物、アプリの通知、ブラウザのブックマーク、契約書を確認します。パスワードそのものを共有表へ書くのではなく、「どのサービスがあるか」「手続き状況」「問い合わせ番号」を記録します。
ステップ3.元データを保全する
電源が入る端末でも、むやみに更新・初期化・同期設定を変更しません。写真や書類を確認できる場合は、元データを残したまま複製し、複製日と保存先を記録します。端末が故障している場合は、通電を繰り返す前にデータ復旧会社へ相談するほうがよいこともあります。
ステップ4.金融・請求・期限のある契約から確認する
銀行・カード明細の定期的な請求、証券会社や取引所からの郵便・メール、携帯電話、レンタル機器を優先します。サービス名が分からない請求は、カード会社や金融機関へ照会し、正式な契約先と手続き方法を確認します。
ステップ5.各サービスの死亡時手続きを使う
アカウントの扱いはサービスごとに異なります。家族が故人のIDで通常ログインするのではなく、死亡証明、戸籍、本人との関係、相続権を示す書類など、各社が求める方法で申請します。
ステップ6.思い出とSNSの扱いを家族で決める
写真や動画は、全員に共有するもの、特定の人だけで保管するもの、削除するものを分けます。SNSは、追悼状態、削除、非公開化などの選択肢がサービスによって異なります。故人の交友関係や第三者のプライバシーにも配慮しましょう。
ステップ7.対応履歴と保存先を残す
問い合わせ日、担当窓口、提出書類、解約日、返金・残高移管、保存データの場所を一覧にします。後から別の相続人が確認できる状態にしておくと、重複連絡や「誰が何を消したか分からない」という問題を減らせます。
ステップ8.最後に端末を初期化・譲渡・処分する
必要なデータと契約を確認した後、アカウントからサインアウトし、端末とサービスのひも付けを解除し、メーカーの手順で初期化します。SIMカード、eSIM、SDカード、セキュリティキーなど、本体以外の情報媒体も忘れずに確認します。

サービス別の確認ポイント|同じ方法では整理できない
アカウント名が分かっても、利用権、保存データ、購入済みコンテンツ、残高の扱いは同じではありません。公式の死亡時・相続時窓口を確認し、必要書類と受け取れる情報の範囲を照らし合わせます。
| 対象 | 最初に確認すること | 注意点 |
|---|---|---|
| Apple Account・iCloud | 故人アカウント管理連絡先の設定有無、アクセスキー、必要書類 | 連絡先が受け取れるデータと、購入コンテンツ・支払情報・キーチェーン内情報は同じではない。アクセスは承認から最長3年間で、期限後はデータが削除される |
| Google アカウント | アカウント無効化管理ツールの設定、指定連絡先、公式申請窓口 | 2年以上利用がないとGoogleが無効なアカウントを削除できる(有料サブスク中やYouTube投稿があるアカウントは対象外)。放置せず公式案内を確認する |
| Facebook・Instagram | 追悼アカウント、削除など公式の故人向け手続き | 通常ログインを続けず、申請可能な立場と書類を確認する |
| XなどのSNS | 故人アカウントの停止・削除窓口 | 投稿データの引き渡し可否や手続きはサービスごとに異なる |
| LINE・メッセージアプリ | 端末内データ、バックアップ状況、現在の公式ヘルプ | 電話番号解約や端末初期化前に、必要な連絡・写真の扱いを考える |
| ネット銀行・証券 | 金融機関名、口座・取引通知、相続専用窓口 | 故人名義の通常ログインや取引をせず、残高証明・相続手続きを依頼する |
| 暗号資産 | 取引所名、ウォレット、復元情報の所在、税務・相続相談 | 復元語や秘密鍵を第三者へ不用意に渡さない。紛失すると復元が困難な場合がある |
| サブスク・通販 | 明細、更新日、返却機器、家族プラン | アプリ削除だけでは解約にならない。契約元で停止を確認する |
| 仕事用アカウント | 勤務先、端末所有者、顧客・共同権利者 | 家族だけで閲覧・コピーせず、勤務先や権利者へ連絡する |
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Appleは「故人アカウント管理連絡先」を設定でき、連絡先はアクセスキーと死亡を示す書類を使って、認められた範囲のデータへのアクセスを申請できます。ただし、故人が購入した映画・音楽・書籍、支払情報、iCloudキーチェーンに保管されたパスワードやパスキーなどは対象外で、承認後のアクセス期間も最長3年間です。Googleは「アカウント無効化管理ツール」で、3・6・12・18か月の間利用がない場合に、通知する相手(最大10人まで)と共有するデータの種類を指定できます。設定せずに2年以上利用がないと、Googleは無効なアカウントとそのデータを削除する権限を持ちます(有料サブスクリプション中のアカウントやYouTubeに動画を投稿しているアカウントは削除対象外)。設定内容・対象データ・必要書類は変更される可能性があるため、記事末の公式情報で最新条件を確認してください。
デジタル遺品は相続できる?「財産」と「アカウント利用権」を分けて考える
ネット上にあるものが、すべて同じ形で相続されるわけではありません。預金、証券、売掛金、換金可能な暗号資産など、経済的価値のある財産は相続手続きの対象となり得ます。一方、動画・音楽・電子書籍の利用権、SNSアカウント、ポイント、オンラインゲーム内のデータなどは、各サービスの利用規約や契約内容によって扱いが異なります。
また、端末の所有権と、端末内のすべての通信・写真を無制限に閲覧してよいかは同じ問題ではありません。第三者とのメッセージ、仕事の秘密、共同著作物、医療・相談情報などが含まれる場合は、必要な範囲に絞って扱います。
高額な資産、暗号資産、事業データ、相続人間の対立、税務申告が関わる場合は、一般的な片付け情報だけで判断せず、弁護士・税理士・司法書士など適切な専門家へ相談してください。
自分で整理できる範囲と専門家へ相談する目安
| 状況 | 家族で進めやすい | 相談を検討したい |
|---|---|---|
| 端末 | パスコードが分かり、正常に起動し、本人の希望も確認できる | ロック、故障、暗号化、重要データの所在不明 |
| 契約 | 明細と契約先が分かり、公式の解約方法が明確 | 請求元不明、事業契約、返却物や違約条件が複雑 |
| 資産 | 金融機関が判明し、通常の相続窓口がある | 暗号資産、海外口座、高額資産、相続人間の争い |
| データ | 家族写真など保存範囲が明確 | 第三者情報、仕事、共同著作物、プライバシーの対立 |
| 部屋の整理 | 端末・重要書類を先に分けられる | 物量が多い、遠方、退去期限、重要機器を見分けにくい |
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デジタル遺品整理を業者へ依頼するときは、「何を成功とするか」を先に決めます。端末から写真を取り出したいのか、サブスク一覧を探したいのか、部屋から機器を分別したいのかでは、必要な専門性が違うからです。
部屋の遺品とスマホ・書類を一緒に仕分けたいとき
実家が遠い、退去期限がある、物量が多くて端末や契約書を探しきれない場合は、遺品整理の見積もりを取り、重要機器・書類を先に分離する流れを相談できます。
デジタルデータの復旧、端末ロック解除、オンライン口座の手続きは別分野です。依頼前に作業範囲を確認してください。
デジタル遺品整理を業者へ頼むときの確認項目
- 対応範囲:端末の捜索・分別、データ復旧、ロック端末、アカウント調査、消去証明のどこまでか
- 見積もり条件:基本料金、成功報酬、追加調査、出張費、返送料、作業中止時の費用
- 成功の定義:写真1点でも取り出せれば成功なのか、指定データが必要なのか
- 端末の管理:預かり証、保管場所、作業者、返却方法、破損時の扱い
- 秘密保持:閲覧するデータの範囲、複製、作業後の削除、第三者委託
- 説明の透明性:できることとできないこと、データ消失のリスクを事前に説明するか
- アカウント手続き:故人になりすます方法ではなく、各社の正式な窓口を案内するか
- 処分方法:初期化、記録媒体の破砕、リユース、データ消去証明を選べるか
「必ず解除できる」「どの端末でも復旧できる」といった断定には注意が必要です。端末の状態、暗号化、メーカーの仕組み、バックアップ、必要書類によって結果は変わります。契約前に、失敗した場合の費用と端末の返却条件まで確認しましょう。
端末を売却・処分するのは、必要な確認がすべて終わってから
古いスマホやタブレットに価値が残っていても、見つけてすぐ買取へ出すのは避けます。端末は資産であると同時に、写真、契約、認証の入口でもあります。
- 相続人や所有権を確認し、売却について合意する
- 必要な写真・書類・連絡先を複製し、保存先を確認する
- 金融・契約・二段階認証に端末や電話番号が必要ないか確かめる
- Apple・Googleなどのアカウントからサインアウトし、端末とのひも付けを解除する
- メーカーの公式手順で初期化し、起動後に個人データが残っていないか確認する
- SIMカード、SDカード、セキュリティキーを取り外し、eSIMの扱いも確認する
- 端末の状態、付属品、初期化済みであることを伝えて査定する
ロックを解除できず、必要データの確認も終わっていない端末は、買取に出さず保管または専門相談へ回します。初期化できた端末でも、アクティベーションロックなどのひも付けが残ると、次の利用者が使えない場合があります。
整理と初期化を終えたスマホを手放すとき
必要なデータの保存、契約確認、相続人間の合意、アカウント解除、初期化まで完了した端末は、宅配買取で査定を確認できます。
相続人間の確認、必要データの保存、各アカウントからのサインアウト、初期化、SIM・SDカードの取り外しを終えてから査定へ進みます。

よくある3つの想定ケースと進め方
ケース1.スマホはあるが暗証番号が分からない
想定ケース:一人暮らしの親が亡くなり、スマホのロックを解除できないものの、写真とネット銀行の情報がありそうな状況です。家族は暗証番号を何度も試さず、端末・充電器・電話番号・契約書を保全します。通帳やカード明細から金融機関を探し、資産は各社の相続窓口へ連絡。写真はクラウドの故人向け手続きや、正当な権限を確認できる専門家への相談を検討します。
ケース2.サブスクの請求だけが続いている
想定ケース:端末は見つからないものの、カード明細に毎月複数の請求があります。カードを止める前に明細を保存し、請求名と契約先を照合します。各社の死亡時・解約窓口へ連絡し、返却が必要な機器や家族プランがないか確認。最終的にカード会社と相談して支払いを整理します。
ケース3.部屋の片付け期限が近い
想定ケース:賃貸住宅の退去が迫り、家財の中に複数のスマホ、パソコン、USBメモリ、カード、書類が混在しています。処分作業を始める前に「デジタル保留箱」を用意し、端末・記録媒体・契約資料をすべて分離。物理的な片付けは遺品整理業者へ相談し、データ確認は家族または対応範囲を確認した専門業者が担当します。
自分のデジタル遺品を家族に残さないための準備
デジタル遺品整理を軽くする最も確実な方法は、本人が元気なうちに「情報の所在」と「希望」を残すことです。パスワードを家族全員へ渡す必要はありません。何があるか、誰に相談するか、残すか消すかを分けておくだけでも、家族の負担は変わります。
- 主な端末、電話番号、メールアドレス、契約サービスの一覧を作る
- 銀行・証券・暗号資産など、財産の「サービス名と問い合わせ先」を残す
- 写真、SNS、ブログ、制作物を、残す・削除・家族判断に分ける
- Appleの故人アカウント管理連絡先やGoogleのアカウント無効化管理ツールを設定する
- パスワードそのものは、安全性の低い通常メモへまとめず、管理方法と受け渡し方法を決める
- 信頼できる連絡先と保管場所を家族へ伝える
- 年1回、機種変更・契約変更・連絡先変更に合わせて更新する
Appleの故人アカウント管理連絡先では、指定した人がアクセスキーと死亡を示す書類を使って申請できます。ただし、購入した映画・音楽・書籍、支払情報、iCloudキーチェーン内のパスワードやパスキーなどは、同じように受け取れるわけではなく、アクセスできる期間も承認から最長3年間です。Googleのアカウント無効化管理ツールでは、3・6・12・18か月のいずれかの無利用期間と、通知先(最大10人)、共有するデータの種類を指定できます。

デジタル遺品整理に関するよくある質問
家族なら故人のスマホを自由に解除してよいですか?
端末の所有や相続と、保存された通信・第三者情報を無制限に閲覧できるかは同じではありません。財産確認など必要な目的に絞り、相続人間で共有したうえで、メーカー・サービスの正式な手続きを優先します。仕事情報や紛争がある場合は専門家へ相談してください。
暗証番号を思いつく限り試しても大丈夫ですか?
おすすめできません。誤入力が続くと待機時間が延びたり、設定や端末によってはデータ保護の処理が行われたりする可能性があります。端末の状態を記録し、公式サポートや専門業者へ確認します。
スマホの契約はすぐ解約したほうがよいですか?
料金は確認すべきですが、電話番号がパスワード再設定や二段階認証に使われていることがあります。必要なアカウント手続きと通信会社の死亡時手続きを確認し、解約の順番を決めます。
アプリを削除すればサブスクも解約できますか?
多くの場合、アプリを端末から消しただけでは契約終了になりません。App Store、Google Play、サービス公式サイト、通信会社、カード会社など、実際の契約元で解約状況を確認してください。
LINEのトークや写真は家族が引き継げますか?
端末、バックアップ、電話番号、アカウントの状態によって確認できる範囲が変わります。通常の機種変更と死亡後の扱いを同じと考えず、現在の公式ヘルプを確認してください。初期化や電話番号解約を先に進めないことが大切です。
暗号資産があるか分からないときは、何を探しますか?
取引所からのメール・郵便、銀行やカードの入出金、ウォレットアプリ、ハードウェア機器、復元情報の所在を確認します。復元語や秘密鍵を見つけても第三者へ送らず、相続と税務の専門家、利用していた取引所へ相談してください。
SNSは削除したほうがよいですか?
一律の正解はありません。サービスによって追悼状態、削除、停止などの手続きが異なります。故人の希望、家族の気持ち、第三者のプライバシーを考え、公式の故人向け窓口を使います。
会社のパソコンや仕事用アカウントも遺族が整理しますか?
家族だけで中身を閲覧・コピーせず、勤務先や事業関係者へ連絡します。端末の所有者、顧客情報、営業秘密、共同著作物が関係するため、会社のルールに沿って引き渡してください。
デジタル遺品整理の費用はいくらですか?
作業範囲で大きく変わります。端末の捜索・仕分け、データ復旧、ロック端末への対応、アカウント調査、消去証明は別料金になり得ます。総額だけでなく、成功条件、追加費用、作業失敗時の費用を見積書で確認します。
遺品整理業者にスマホのロック解除も頼めますか?
一般的な遺品整理と、端末の解析・データ復旧は別の専門領域です。対応をうたう業者でも、端末・OS・故障状態によって可否が変わります。物の仕分け、データ復旧、アカウント手続きを分けて確認してください。
故人のスマホを売ってもよいですか?
相続人間の合意、必要データの保存、契約・認証の確認、アカウント解除、初期化を終えてから検討します。ロックされたまま、所有関係が未確認、必要情報が残っている端末は売却しません。
生前にパスワード一覧を家族へ渡すべきですか?
通常の紙や共有メモにすべてのパスワードを平文で残すと、盗難・不正利用の危険があります。アカウントの所在と希望を一覧化し、パスワード管理方法、故人アカウント機能、信頼できる受取人を組み合わせて準備します。
結局、デジタル遺品整理は何から手をつければよいですか?
端末の初期化や解約からではなく、まず「保全」から始めます。ロックされたスマホや記録媒体はそのまま保管し、通帳・カード明細から契約名を一覧化し、金融資産がありそうなら各社の相続窓口を確認します。金銭に関わるものを優先し、思い出やSNSは家族の希望を聞きながら、最後にアカウント解除と端末の初期化を行うという順番を守れば、大きな失敗は避けられます。
まとめ|デジタル遺品整理は「消す」より先に守ることから始める
デジタル遺品整理とは、故人のスマホやパソコンを片付けるだけでなく、写真、SNS、契約、金融資産、仕事情報を見つけ、必要なデータを保全し、正式な手続きで整理することです。
- 端末を初期化・売却する前に、データと契約の手がかりを保全する
- 電話番号やメールは、認証に必要か確認してから解約する
- 金融・請求・期限のある手続きを優先する
- アカウントは故人になりすまさず、各社の死亡時・相続時窓口を使う
- 部屋の片付け、データ復旧、法律・税務を、それぞれ適した相談先に分ける
- 端末の処分は、保存・合意・サインアウト・初期化が終わった最後に行う
今すぐ全部を終える必要はありません。まずは端末と請求明細を集め、触らない物を分け、家族で担当者を一人決めてください。物量や期限の問題がある場合は遺品整理の見積もりを取り、データや資産の問題は対応範囲を確認した専門家へつなぐのが現実的です。
状況に合わせて次の行動を選ぶ
参考リンク
- Appleサポート|故人アカウント管理連絡先を追加する方法
- Googleアカウント ヘルプ|アカウント無効化管理ツールについて
- デジタル遺品とは?放置すると困る理由と、家族がやるべき整理手順
- 遺品整理とは?意味・タイミング・流れ・費用までまるごと解説
- 遺品整理で捨ててはいけないもの|重要書類・貴重品・デジタル遺品一覧
- 遺品整理チェックリスト
- 生前整理とは?意味・始める時期・進め方までやさしく解説